オンラインクレジットカード決済の「オーソリ」と「キャプチャ」について
この記事は PAY Advent Calendar 2024 1 日目の記事です。 qiita.com
こんばんは、zan_sakurai です。
記念すべき個人ブログ第一号の記事です。(これまで「個人で情報発信やるぞやるぞ」とずっと思っていたり言いはじめて 10 年弱経過していました...。)
普段はとある EC 関連プロダクトの開発に携わっているエンジニアをしています。
今回は、オンラインクレジットカード決済の「オーソリ」と「キャプチャ」について整理してみました。
これから初めてオンラインクレジットカード決済を実装して導入する開発者や、オンラインクレジットカード決済について詳しく知りたい方にとって、一助になると嬉しいです。
「オーソリ」「キャプチャ」 って何?
「オーソリ」「キャプチャ」という用語は、我々?のようなオンラインクレジットカード決済に関わったことがある人々にとっては馴染みのある言葉かもしれません。
しかし、一般の利用者にとっては、あまり馴染みのある言葉ではないかと思います。
オーソリとキャプチャは、ざっくり以下と解釈しています。
- オーソリ: 支払いが可能かどうかを確認し、支払い金額を一時的に「確保」するプロセス。
- キャプチャ: オーソリで確保した支払い金額を確定させるプロセス。
ここで急ですが、PAY.JP のドキュメントをみてみましょう。
PAY.JP#認証と支払い確定 の冒頭によると
クレジットカードによる支払いは、認証と支払い確定の 2 つのステップにより行われます。 認証では、クレジットカードの与信枠(限度額)の検証が行われ、支払い金額分の与信枠を確保します。支払い確定では、認証により与信枠が確保された金額の支払いを確定します。明細書に記載される請求金額には、支払い確定されたものが掲載されます。 PAY.JP では、認証と支払い確定を同時に行う通常の支払い処理と、認証と支払い確定を個別のリクエストで行う支払い処理をサポートしています。ここでは後者について説明します。
引用元 : PAY.JP#認証と支払い確定 https://pay.jp/docs/authcapture
との記載があります。
ここで挙げられている「認証」と「支払い確定」が、それぞれ「オーソリ」と「キャプチャ」に相当するものです。
また、同時に行われる場合もありますが、「オーソリ」-> 「キャプチャ」の順番で行われることをご認識いただけたかと思います。
「オーソリ」「キャプチャ」 のタイミング
前章では、「オーソリ」「キャプチャ」の意味を再確認しましたが、次に「オーソリ」「キャプチャ」のタイミングについても考えてみようかと思います。
「オーソリ」「キャプチャ」のタイミングは提供する商材やサービスの性質によって異なりますが、以下の性質を考慮して決定すると良いかもしれません。
- オーソリには有効期限が存在する: オーソリには有効期限があります。この期間内にキャプチャをおこなわないと、オーソリは自動的にキャンセルされ、キャプチャすることができなくなります。
- オーソリとキャプチャのタイムラグ: オーソリとキャプチャは同時に行うこともできますが、別々のタイミングで行うこともできます。オーソリとキャプチャのタイムラグを設けることで、顧客に商品を提供する前にキャンセルすることができます。
PAY.JP では 以下 2 つの支払い処理を提供しているようですので、それぞれのユースケースを考えてみようかと思います。
- 「認証と支払い確定を同時に行う通常の支払い処理」
- 「認証と支払い確定を個別のリクエストで行う支払い処理」
まず「認証と支払い確定を同時に行う通常の支払い処理」の場合、つまり「オーソリ」と「キャプチャ」を同時に行う場合について考えてみます。
これは例えば、オンラインで購入したソフトウェア、動画、音楽などのデジタルコンテンツなどの即時に利用できる商材 などが該当するかと思います。
即時に顧客に商品が提供されますので、「キャプチャ」が完了したことを確実にする必要があるためです。
次に「認証と支払い確定を個別のリクエストで行う支払い処理」の場合、つまり「オーソリ」と「キャプチャ」を個別のリクエストで行う場合について考えてみます。
これは例えば、イベントのチケットなどの抽選 などが該当するかと思います。
抽選申し込み時点でオーソリで与信枠を確保し、当選者のみキャプチャを行うような設計とした場合、当選者以外の方には支払いを行わせることなく、オーソリのキャンセルのみで対応することができます。
また、当選者は既にオーソリで与信枠を確保していますので、キャプチャのみで支払いを完了させることができます。
(仮に当選してからオーソリ->キャプチャを行うと、当選したにも関わらず与信枠が足りない場合、支払いができないといった問題も発生するかと思います。)
「キャンセル」 と 「返金」
「オーソリ」「キャプチャ」と合わせて、オンラインクレジットカード決済において重要なプロセスとして「キャンセル」と「返金」があるかと思います。
これまで何度か触れてきましたが、以下のような違いがあるかと思います。
- キャンセル:
- オーソリのキャンセル。オーソリをキャンセルすることで、与信枠を解放するプロセス を指す場合が多いように思います。
- キャプチャのキャンセル。キャプチャは支払いを確定していますので、返金を行うことで支払いの取り消しとするプロセスを指す場合が多いように思います。表現として少しややこしくなります。
- 返金:
- オーソリの返金。オーソリには返金の概念は有りません。
- キャプチャ後の返金。キャプチャは支払いを確定していますので、返金を行うことで支払いの取り消しとするプロセスを指す場合が多いように思います。
まとめ
少しごちゃごちゃしてしまいましたが、オンラインクレジットカード決済において重要なプロセスである「オーソリ」「キャプチャ」について整理してみました。 加えて、「キャンセル」と「返金」についても触れてみました。
まだごちゃごちゃしているので、また別の機会でももう少し整理できたらな、と思います。